浦和家庭裁判所川越支部 事件番号不詳 判決
被告人 田辺ミツイ
主文
被告人を罰金八千円に処する。
右罰金不完納の場合は二十日間被告人を労役場に留置する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
罪となるべき事実
被告人は肩書住居で喜久芳という屋号で芸妓置屋を業としているものであるが、右喜久芳に芸妓として住込ませ働かしていた「E子」ことK子(昭和十六年二月十九日生)をして昭和三十三年八月九日頃東京都青梅市青梅一、三四四番地割烹旅館四季楽園に於て、Mに売淫をなさせ、以て満十八歳にならない児童に淫行をさせたものである。
証拠の標目
一、Mの公判廷に於ける供述
一、K子の検察官調書
一、被告人の司法警察員調書三通
一、同人の検察官調書
一、K子の身上照会回答書
法令の適用
児童福祉法第三十四条第一項第六号第六十条第一項(罰金刑選択)
刑法第十八条、刑事訴訟法第百八十一条第一項本文
弁護人は
一、K子は自己の自由意志で売淫したものであつて、被告人のすすめや強制によつたものではない
一、仮りに被告人が右売淫を予想したとしてもこれを制止すべき義務はない
三、被告人はK子を雇傭している者ではないから児童福祉法第六〇条所定の「児童を使用する者」に当らない、従つて同条の適用がない
以上の理由によつて無罪である旨主張するが当裁判所は前示認定のとおりであるから弁護人の右主張を採用しない。
(裁判官 堀江金治).